ジャンボタニシの被害を防ぎましょう!

昨年(令和2年)の田植時期に、大利根地域の一部の地区において、ジャンボタニシ(和名:スクミリンゴガイ)による被害が認められました。

令和3年度は、以下の点を踏まえ防除等に努めましょう。

1 ジャンボタニシの生態

  ジャンボタニシは、スクミリンゴガイと言い、南米原産の淡水性の巻貝で1981年に台湾から食用目的として日本に入ってきましたが、その後、放棄されたり養殖場から逃げ出したりして野生化しました。

  このジャンボタニシは、水中での酸素欠乏を防ぐため、水面より上の用水路や稲などに卵塊(らんかい)の鮮やかなピンク色の卵を産み付け、2週間から3週間でう化します。

  ジャンボタニシは、繁殖力が強く、雑食性で水稲の苗(田植え後3週間程度まで)を食べ、時折、被害が大きくなります。

  亜熱帯生物のため、寒さに弱く、大きすぎて土に潜れなかった貝は寒さで死んでしまいますが、雑草の下や土中に潜った貝は越冬し、水田に水がくると活動を開始します。

  ジャンボタニシは、体内に広東住血線虫などの寄生虫を宿していることがあるため、十分に加熱せず食した場合は、寄生虫が人体に感染して死に至ることもあるので注意が必要です。

ジャンボタニシの成貝
ジャンボタニシの卵

2 ジャンボタニシの防除対策

(1) 貝や卵塊の駆除(通年)

貝は見つけしだい、捕殺します。卵塊は、産卵後早期に水中に払い落すかつぶしましょう。なお、貝は寄生虫がいる恐れがあるため、素手で触らないようゴム手袋等を使用して処理してください。

(2) 侵入防止(取水期間)

取水口に5ミリメートル以下の網目のネットや金網を設置し、用水からの貝の侵入を防ぎます。特に用水からの侵入が多いのは、1.代掻き前の入水時(用水路で越冬した貝が侵入)、2.中干し後の入水時(用水路で繁殖した貝が侵入)になります。これらの時期だけでもネットや金網を設置することで、多数の貝の侵入を防ぐことができます。

(3) 食害防止(移植後2週間から3週間)

ジャンボタニシは、移植直後の苗を好んで食害しますが、浅水では食べることができないため、水深4センチメートル以下の浅水管理にします。深水部分は被害が集中しやすいので、代掻きはできるだけ均平に行います。また、食害防止や殺貝効果のある薬剤も販売されているため、利用してください。

(4) 収穫後の対策(石灰窒素の利用、9月から10月)

収穫後のまだ暖かい時期(15度以上の時期)に、石灰窒素を利用してほ場内の貝を防除します。石灰窒素は窒素成分を含むので、翌年の施肥料には注意してください。

1. ほ場に水をため、(水深3センチメートルから4センチメートル)、3日から4日おきます。

2. 貝が活動を始めたら、石灰窒素を10アールごとに20キログラムから30キログラム散布し、3日から4日湛水(たんすい)管理します。

3. 自然落水させます(魚介類に影響するので、河川には流さないようにします)。

(5) 越冬場所の管理(10月から3月)

ジャンボタニシは、ほ場の土中、用水路等で越冬し、水が残っているところでは越冬率が上がる傾向があります。そのため、1.用水路の泥上げ、2.餌となる雑草の駆除、3.水田の落水、4.用水マスの貝の除去を行うと効果的です。

(6) 耕うん(1月から2月)

殻高1センチメートルから3センチメートルの貝は土中で越冬します。そのため、厳寒期に耕うんし、寒さにさらしたり、物理的に破砕しましょう。

(7) 薬剤について (薬剤による防除対策)

・多発ほ場では田植えと同時に有効薬剤を散布します。

・水稲移植時に1平方メートルに1.5から2頭の貝が確認される場合は被害が見込まれるので、薬剤による防除を行いましょう。

・食毒剤散布前に食害防止剤を使用すると、食毒剤の効果が期待できないので注意しましょう。

表 主な防除薬剤 (令和2年8月31日現在)

薬剤名(成分名)

使用方法 使用時期 使用量/10アール 使用回数 備考

スクミノン

(メタアルデヒド)

散布 収穫60日前まで 1から4キログラム 2回以内

殺貝(食毒剤)

水の流出量が多いと残効期間は短くなる

スクミンベイト3

(燐酸第二鉄)

散布

無人ヘリコプターによる散布

発生時 2から4キログラム

殺貝+食害防止(食害剤)

有機JAS認定、特別栽培米で使用可

スクミハンター

(チオシクラム)

湛水散布 収穫45日前まで 1から2キログラム 3回以内

食害防止

水の流出量が多くても薬剤本体が水田内に残存していれば効果は維持される

石灰窒素55

(石灰窒素)

※1

※2

植代前

刈り取り後(水温15度以上の時期)

20から30キログラム 1回 殺貝

農薬使用の際は、ラベル表示を必ず確認し、飛散防止・農薬使用記録の記帳に努めましょう。

 

石灰窒素の使用方法

※1 植代え前散布の場合

荒起こし後3から4センチメートルに湛水し、3から4日後前面に散布し、3から4日間4センチメートル程度の湛水状態を保った後、植代を行う。田植えは薬剤散布後6から10日経過後(稲わら等がある場合は長めに)に行う。薬剤に窒素成分が含まれているため、水稲の施肥は控えめにする(石灰窒素20から30キログラム/10アールは窒素成分4から6キログラム/10アールに相当)。

※2 刈り取り後散布の場合

3から4センチメートルに湛水し、1から4日後前面に散布し、3から4日間4センチメートル程度の湛水状態を保つ。15度以下の低温では貝の活動が低く殺貝効果は期待できないため、できれば20度以上の時期に実施する。

◯魚毒性があるため、散布後の田面水を水田から流出させないよう落水、かけ流しは行わない。

 

埼玉県加須農林振興センターからのジャンボタニシ対策について

大利根地域の皆さまへ

農林水産省リーフレット

農林水産省防除対策マニュアル

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更新日:2021年07月05日