令和8年度予算の提案説明

更新日:2026年02月13日

令和8年2月5日(木曜日)

1 市政の基本と継承について

市政やまちづくりは、未来へとバトンをつなぐ、終わりのないリレーのようなものです。バトンを受け取ったランナーは、先人が走り抜いてきたその先からスタートします。市政のリレーにおいては、市民生活を支える行政サービスを止めることは許されず、バトンを引き継いだその瞬間から、直ちに、そして力強く前進し続けることが求められます。

私は既に、令和8年4月24日の任期満了をもって、次の市長へ市政のバトンを託すことを表明しており、来る令和8年度において私が市政運営を担う期間はわずか24日間です。そのため、令和8年度の施政方針は、次期市長に委ねるべきものと考え、本日は「施政方針」ではなく、「提案説明」として御説明申し上げます。

一方で、新市長が市政の現状を把握し、新たな方向性を示すまでの間、市政運営に空白を生じさせるわけにはいきません。市政を停滞させないよう引き継ぐことこそが、今の私に課せられた最大の責務であると考えております。

そうしたことから、市政の「継承」と「革新」のために、加須市の未来の姿と、それを実現する具体的な方策を盛り込んだ総合振興計画や各種部門計画の策定や改訂を予定に沿って進めています。また、令和8年度の1年間、何に、どのように取り組むのか、そのために必要な経費や財源はどうなのか、具体的な数字として当初予算案を編成いたしました。

これまでも、所信表明あるいは毎年の施政方針で繰り返し申し上げてまいりましたが、私の市政運営の基本は「継承」と「革新」、目指すまちづくりのキーワードは3つ「安全」「安心」「未来」です。

行政施策には、継続すべきもの、継続しなければならないものが数多くあります。それらを着実に進めるとともに、新たな工夫や挑戦を加えることによって、市政は更に発展してまいります。

そして、市民の皆様の「安全」を守り、「安心」を支え、希望の「未来」へとつないでいくことが、我々行政の責務と役割です。こどもからお年寄りまで、老若男女全ての市民に関わるあらゆる分野、あらゆる課題に真摯に向き合うことが不可欠です。

この「継承」と「革新」、そして「安全」「安心」「未来」は、いずれも私が掲げてきた言葉ではありますが、その根底にある考え方、理念は、時代がどのように変化しようとも揺らぐことのない、市政運営の根幹をなすものであると確信しています。

現在策定を進めております総合振興計画及び各種部門計画、そしてこのたび編成した令和8年度当初予算案は、一般職の市職員として31年、副市長として3期12年、そして市長として1期4年という私の行政経験を土台とした集大成であり、行政を取り巻く環境の変化や、直面する課題に的確に対応した責任ある提案です。これらは、新たな体制においても継承され、将来にわたる市政運営の安定と更なる発展の基盤となるべきものと確信しています。

 

2 令和8年度の予算案の概要

予算編成に当たりましては、市民生活に直結する施策を着実に推進しつつ、本市の発展を途切れさせないという考え方の下、いわゆる骨格予算として継続事業に限定するのではなく、未来を見据えた新たな取組も盛り込むこととしました。もちろん、新たな取組は、各種計画との整合を図り、その必要性や将来性を十分に検討した上で予算を計上しています。

各部からの予算要求の段階では、歳入と歳出に約54億円という大きなギャップが生じていましたが、限られた財源を最大限に活かすため、関係職員と連日のように議論を重ね、「選択と集中」により収支の均衡を図り、予算案として取りまとめました。

このようにして編成した令和8年度予算は、「継承」と「革新」の両面から、「安全」「安心」「未来」を柱として全方位戦略を展開する「老若男女全ての市民の暮らしを支える予算」であります。

その予算規模は、一般会計が前年度比3.9パーセント増となる過去最大の490億4,100万円、特別会計が前年度比2.3パーセント増の265億4,777万1千円、企業会計が前年度比2.2パーセント増の90億2,906万6千円、そして、これらを合わせた全会計では前年度比3.2パーセント増となる過去最大の846億1,783万7千円となりました。

 

3 令和8年度の主要施策

令和8年度における主要な施策について、「安全」「安心」「未来」の別に、新たな取組や拡充する取組を中心に申し上げます。

(1)「安全」

1つ目は、「安全」です。

「安全」「安心」「未来」の中でも最優先、市民の皆様の大切な命を守る「安全」の施策には、防災や防犯、交通安全、インフラ整備などの取組があります。

 

まず、「防災」に関する取組です。

24時間365日昼夜を問わず市民の安全安心を守っている消防団、その活動環境を改善するため、消防団詰所全21箇所のうち、水洗化されていない7箇所のトイレを全て水洗化します。

また、現行の防災行政無線に代わる60MHz市町村防災行政無線を速やかに整備するため、実施設計を実施します。

さらに、消防ポンプ自動車の計画的な更新、災害用物資の計画的な備蓄、防災士連絡会との連携や防災士養成講座の開催、野中土地区画整理事業区域内の調整池の整備などにも継続して取り組みます。

これらの取組も含め、水害対策、震災対策、消防力の強化など、平時からの「備え」により、災害に強いまちを目指してまいります。

 

次に、「交通・防犯」に関する取組です。

犯罪抑止力としての効果や犯人検挙への貢献が期待される防犯カメラについて、市内の各駅前に設置している機器の更新及び犯罪抑止重点地域への設置を計画的に実施します。

また、交通安全施設の整備、自主防犯活動組織の活動支援などにも継続して取り組みます。

これらの取組も含め、交通安全対策の充実や防犯対策の強化などを着実に推進し、安全なまちを目指してまいります。

 

次に、その他の「安全」に関する取組です。

将来にわたり持続可能な上下水道事業運営を実現するため、下水道ストックマネジメント計画及び水道アセットマネジメント計画を策定し、上下水道施設のライフサイクル全体の効率的かつ効果的な管理運営を図ります。

 

(2)「安心」

2つ目は、「安心」です。

市民の皆様のいつもどおりの暮らしを支える「安心」の施策として、子育て支援、教育、福祉、健康・医療・スポーツ、環境、芸術文化など、様々な分野に関する多くの取組があります。

 

まず、「子育て支援」に関する取組です。

養育費の取決めを促進し、こどもの健やかな成長を支えるため、公正証書等の作成に関する補助制度を創設します。

また、学校給食費については、小学校は国の交付金を活用し、中学校は市独自の施策として、給食の質や量を低下させずに、通年無償化します。併せて、給食を食べられない児童生徒の保護者に対する絆サポート券の配布や、給食の食材としての地場産野菜の購入なども実施します。

また、若い男女が妊娠前から将来設計や健康管理を行うプレコンセプションケアの普及啓発、産婦健診の費用助成の拡充、妊婦へのRSウイルスワクチン接種の定期接種化など、妊産婦等に対する支援を充実させます。

また、こども誰でも通園制度の実施、5歳児健診の実施及び健診後の相談体制の充実、子育て支援センター全7箇所への地域子育て相談機関の設置など、乳幼児家庭に対する支援を充実させます。

さらに、ヤングケアラーに対する支援、保育士の処遇改善に係る支援などにも継続して取り組みます。

これらの取組も含め、妊娠・出産・子育てへの連続性のあるきめ細やかな支援により、子育てに希望や喜びを実感できるまちを目指してまいります。

 

次に、「教育」に関する取組です。

中学校で実施しているキャリア教育の実効性を更に高めるため、自分の個性や特徴の理解につながる進路適性検査を実施します。

また、こどもたちの英語の学力向上を図るため、英検検定料の助成を拡充するとともに、ALTを市立幼稚園全8園にも派遣します。

また、増加する小学校の不登校児童が安心して学べる居場所を確保するため、小学校15校にスペシャルサポートルームを設置します。

さらに、小学校の水泳指導の民間委託については、新たに2校を追加し、16校で実施します。

これらの取組も含め、学校教育の充実を図り、未来へつなぐ人を育むまちを目指してまいります。

 

次に、「福祉」に関する取組です。

高齢者等の移動を支援するため、デイサービスの送迎車の空き時間を利用したモデル事業及び要支援者を対象とする訪問サービスDを実施します。

また、介護保険サービス事業所における介護職員の処遇を改善し、人材確保につなげるため、介護職員資格手当を創設します。

また、本年11月、ねんりんピック彩の国さいたま2026のグラウンド・ゴルフ交流大会を開催します。

さらに、障がい児の発達、学び、将来の自立につなげるため、多様な障がい者福祉サービス、保育所における障がい児受入れのための保育士の加配、小中学校における介助員の任用や医療的ケア児のための看護師の派遣などにも継続して取り組みます。

これらの取組も含め、支援を必要とする皆様に寄り添った福祉サービスを提供し、誰もが安心して暮らせるまちを目指してまいります。

 

次に、「健康・医療・スポーツ」に関する取組です。

年間を通して体力測定と実技指導を行う健康づくり・体力アップ講座を実施します。

また、総合型地域スポーツクラブに対する支援、筋力アップトレーニング修了生の活動支援、地域医療体制の確保に向けた支援やがん検診の更なる充実などにも継続して取り組みます。

これらの取組も含め、健康・医療・スポーツの取組の充実と連携を図り、誰もがいきいきと健康で、はつらつと輝けるまちを目指してまいります。

 

次に、その他の「安心」に関する取組です。

事業者向け省エネ診断補助金制度を創設し、ゼロカーボンシティを更に推進します。

また、斎藤与里展とこども美術展覧会の合同開催、市指定有形文化財の修繕支援など、芸術文化の更なる振興を図ります。

また、外国人の人口が増加する中、多文化共生の事業を効果的に展開するため、外国人の意識調査を実施します。また、小中学校においては、日本語指導助手の勤務時間を延長し、日本語指導を充実させます。

また、不燃系ごみ処理及び騎西学校給食センターの調理等について、安定的に業務を継続するため、民間事業者に委託します。

さらに、クビアカツヤカミキリ、アライグマ、イノシシなどの害虫・害獣対策を強化します。

 

(3)「未来」

3つ目は、「未来」です。

ワクワクするまち、希望の「未来」へとつながる施策として、公共施設マネジメント、かぞ版スーパーシティ、産業や観光の振興、DXの推進など、幅広い分野の取組があります。

 

まず、「公共施設マネジメント」に関する取組です。

市営住宅長寿命化計画の策定、新たな保育所の整備、加須クリーンセンターの基幹改良に向けた実施設計及び工事、魅力ある学校づくり基本計画の策定など、施設の再編等を進めます。

また、老朽化した本庁舎の設備の改修、学校施設長寿命化計画に基づく高柳小学校校舎の長寿命化改良工事及び加須西中学校校舎の長寿命化改良工事設計、文化・学習センターの設備等の修繕など、施設機能の維持や充実を図ります。

これらの取組も含め、真に必要な公共施設の計画的な維持管理に努めながら、持続可能な自治体経営の実現を目指します。

 

次に、「かぞ版スーパーシティ」に関する取組です。

加須駅周辺のにぎわい創出につなげるため、若者視点で未来を語るデザイン会議を開催します。また、東武鉄道株式会社が沿線で進めている「駅と一体となったまちづくり」について、同社と粘り強く協議を重ねてまいります。

さらに、優先的まちづくりゾーンの事業化想定区域については、民間事業者への進出意向調査、道路整備に係る測量設計、公園整備に係る基本構想の策定に取り組みます。

このように、本市の顔であり玄関口である加須駅とその周辺では、都市機能の集積と既存市街地のにぎわい創出を目指してまいります。

 

次に、「産業・観光の振興」に関する取組です。

令和の米騒動により主食用米との価格が逆転したことから、酒造好適米の安定供給に取り組む生産者を支援します。また、水稲及び大豆の品質低下や収量減少の要因となるカメムシ等の防除支援を継続します。

また、電気料金高騰の影響を緩和し、街路灯を所有する商店街等の負担を軽減するため、電灯料補助金を増額します。

さらに、熱気球係留体験ウィークの開催をはじめとする渡良瀬遊水地の利活用の更なる推進、一般社団法人として新たに歩み始めた物産観光協会との連携など、観光振興の充実を図ります。

これらの取組も含め、産業全体の発展と観光の振興により、魅力と活力を生む産業のまちを目指してまいります。

 

次に、「DXの推進」に関する取組です。

限られた財源や人的資源の中で、効果的かつ効率的な行政運営につながるペーパーレス化を更に推進するため、電子契約システムを導入するとともに、令和7年度から準備を進めてきた電子決裁の機能を含む文書管理システムを稼働させます。

 

次に、その他の「未来」に関する取組です。

計画的かつ効率的で効果的な市政運営を行うため、各種部門計画について、計画期間満了に伴う次期計画の策定や取り巻く環境の変化等に応じた改訂を行います。

また、令和7年から始動した加須宇宙米プロジェクトについては、こどもたちの科学的思考や探求心を育む教育としても、更に展開してまいります。

さらに、人材育成や組織の活性化を目的としている若手職員プロジェクトチームから、「笑う」をテーマとした政策提案があり、そのうち、笑顔のモザイクアートの制作など、提案の一部を事業化します。

 

4 結びに

結びになりますが、私のモットーは市長就任前から「かぞ愛」です。「かぞ愛」は、人も物も地域も加須の全てを愛するという意味です。

私が、いろいろな場面で皆様に御挨拶を申し上げる際に掲げるお馴染みのパネル、最近は「笑うかぞには福来る」を多く使っていますが、最初は「かぞ愛」でした。「笑うかぞには福来る」も素晴らしいキャッチフレーズですが、私の原点は、やはり「かぞ愛」です。

「愛する加須市を、もっと良くしたい」

その気持ちは、市の職員になったときから、副市長になっても、そして、市長になっても変わりません。

本年も、引き続き、議員各位や市民の皆様のお力添えをいただきながら、「かぞ愛」を持って、市政のバトンを渡すそのときまで、全力疾走してまいります。

 

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