令和4年第2回定例会所信表明

更新日:2022年06月21日

令和4年6月14日(火曜日)

本日、ここに令和4年第2回加須市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、御健勝にて御参会を賜り、誠にありがとうございます。

議長のお許しをいただきましたので、今回御審議をいただきます諸議案の説明に先立ちまして、市政運営に当たっての所信を申し述べ、議員各位と市民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。

 

私は、先の加須市長選挙におきまして、多くの市民の皆様から力強い御支持をいただき、加須市長に就任いたしました。

この上ない光栄でありますとともに、責任の重さと期待の大きさに身の引き締まる思いでございます。

市民の皆様の信頼と期待に応えるため、これまでの経験や知識の全てを注ぎ込み、議員各位や市民の皆様とともに、更に安全で安心、そして、子どもたちの未来のためのまちづくりに、全身全霊を傾けてまいる覚悟であります。

 

さて、本市を取り巻く環境は、日々変化しております。

少子化の進行とそれに伴う人口減少、高齢化の進展、新型コロナウイルス感染症、そして、世界情勢など、その市民生活及び社会経済への影響は、大変大きなものとなっております。

 

そうした中での私の市政運営の基本的な方針を申し上げます。
私は、大橋前市長が行ってきた市政の「継承」と「革新」を掲げております。

加須市総合振興計画を着実に推進しながら、私が市民の皆様とお約束した政策の実現に全力で取り組んでまいります。

 

まず、基本的な施策について申し上げます。

市には、実に様々な仕事があります。シニアも若者も、子育て世代も、障がいのある方もない方も、およそ赤ちゃんからお年寄りまで、全ての市民の皆様の暮らしに関係する様々な仕事があります。

総合振興計画や予算における事業の数は約750本ありますが、私が目指す新たなまちづくりのキーワードは3つ、「安全」「安心」「未来」です。

私は、市民の皆様の安全を守り、安心を支え、希望の未来へつなぐため、市民の皆様とお約束した「10の約束」に、重点的に取り組んでまいります。

 

1つ目は、「災害に強い安全なまち」であります。

利根川や渡良瀬川といった大河を抱える本市にとって、治水対策は最優先課題です。利根川両岸、渡良瀬川右岸の堤防強化、また、一級河川中川の改修や中川上流域の排水対策等が確実に促進されますよう、沿川の自治体とも連携しながら、国・県に強く要望してまいります。

なお、本年8月4日に、利根川流域の1都5県の自治体等で構成する利根川治水同盟による治水大会が、本市を会場として開催されます。利根川の治水・利水・環境事業の早期完成を要望するとともに、流域住民などに対するこれら事業の重要性を訴える好機と捉え、関係機関と連携し、本市での平成15年以来19年ぶりとなる治水大会を執り行ってまいります。

また、震災対策も重要です。市民の皆様の生命や財産、そして、安全を守るため、様々な事態を想定し、いつ発生するかわからない震災に万全を期してまいります。

 

2つ目は、「加須駅南にかぞ版スーパーシティ構想」であります。

加須駅と本年6月1日に開院した埼玉県済生会加須病院の周辺に、様々な都市機能を集積し、本市の「顔」となるような新しいまちを創ってまいります。

キーワードは3つ、「ウエルネス」「スマート」「レジリエンス」です。現在取りまとめているコンセプトを基本に、幅広く関係の皆様の御意見もお聞きしながら、構想を策定し、実現に向けて取り組んでまいります。

 

3つ目は、「子育て支援に磨きをかける」であります。

本市の人口動態を分析すると、0歳からの乳幼児とその保護者、いわゆる「子育て世代」の転入による社会増が特徴であります。その理由は、きめ細かな一貫した子育て支援にあります。

国の「こども家庭庁」の先駆けである「こども局」を中心に「加須版ネウボラ」と言ってもよい、妊娠から出産、そして子育てまでを切れ目なくカバーするきめ細かな子育て支援を、更に進めてまいります。

 

4つ目は、「ともに生きともに支えあうまち」であります。

高齢化が進展する中で、元気な高齢者を増やし健康寿命を延ばすことは必須です。高齢者相談センター、ふれあいサロン、地域ブロンズ会議、認知症の方とその家族等を支えるチームオレンジなど、高齢者の皆様が安心して日常生活を送れる体制を整え、更に充実してまいります。

また、老々介護やヤングケアラーなどの深刻な家族介護の実態把握に努め、支援につなげる仕組みづくりにも取り組んでまいります。

さらに、いきいきと自分らしく輝ける地域づくりのために、ハードとソフトの両面からバリアフリーを進めてまいります。

障がいのある方もない方も、老若男女誰もがお互いを尊重し合い、安心して暮らせるまちを目指してまいります。

 

5つ目は、「市民を挙げての健康づくり」であります。

新型コロナウイルス感染症の感染者数は減少しているものの、予断は許されません。これまで同様に、「感染予防」「生活支援」「事業者支援」の3つを柱に、万全を期してまいります。

取り分け、ワクチン接種については、引き続き、加須医師会を中心とする関係機関の御協力をいただきながら、万全な接種体制の確保と接種率の向上に取り組んでまいります。

また、三次救急医療を実現する救命救急センターの指定を受けた済生会加須病院の開院により、地域医療のレベルアップが図られたところであります。市内医療機関との連携と役割分担により、地域完結型医療の構築を図り、市民の皆様の安心を支えてまいります。

 

6つ目は、「子どもたちの学びを伸ばす」であります。

まず、学力アップへの取り組みです。児童生徒に一人一台のタブレット端末を整備したICT教育が本格的に始まっておりますが、タブレット端末をより効果的に活用しながら、一人一人の学力を伸ばす教育を更に推進してまいります。

また、少子化による児童数の減少が顕著になりつつある中で、「学校は誰のためにあるのか」という原点に立ち返り、子ども達にとっての最適な学びの環境の整備をいかに図っていくか、検討してまいります。

さらに、本市は、県内市で最も低い給食費でありますが、これからも保護者負担を抑制しながら、安全で安心な給食が提供できるように、最大限の努力をしてまいります。

 

7つ目は、「スポーツの聖地化で交流人口をさらに増やす」であります。

昨年(令和3年)開催された東京オリンピック・パラリンピックで、改めて、スポーツの素晴らしさや影響力、そして、その可能性を強く実感いたしました。

本市では、スポーツを核とした交流人口の拡大も図ってきております。

女子野球、自転車、クライミングは、いわゆる「聖地」として定着しつつあります。これに加え、加須スケートパークを活用した「スケ―ドボードの聖地化」、さらに、年代を問わずに、誰もが気軽に参加できる「ウォーキングの聖地化」や「グラ
ウンドゴルフの聖地化」などに取り組み、市内外から多くの人々が集い交流する「スポーツのメッカ」を創出してまいります。

 

8つ目は、「やりがいと雇用と所得のための地域産業の振興」であります。

「埼玉一の米どころ」や「農業都市」として自他ともに認める本市の農業を支えるため、農地の利用集積や生産基盤の整備、各種農産物のブランド化などにより、「稼ぐ農業」「誇れる農業」を支援してまいります。

また、商工会と連携を図りながら、暮らしに密着した商業の振興を推進してまいりますとともに、市内で起業、創業しようという意欲のある市民の皆様を支援してまいります。

さらに、道路交通網の要衝である本市のロケーションは、企業にとっても魅力あるものであります。既存の事業所や工場への支援はもとより、受け皿の整備に努めながら、積極的に加須市をセールスし、優良企業の立地を促進してまいります。

また、地域経済の活性化に、本市独自の地域通貨である「ちょこっとおたすけ絆サポート券」の活用を図ってまいります。絆サポート券は、市民の皆様の生活の一助となり、また、市内の小規模店で消費されることによって経済の活性化が図られる一石二鳥の取組です。様々な事業とタイアップさせながら積極的に活用してまいります。

 

9つ目は、「東西南北の交通ネットワーク」であります。

企業や市民の皆様の社会経済活動や日常生活を支え、便利で暮らしやすいまちづくりには、交通ネットワークの構築も重要となります。

特に、利根川や東武伊勢崎線で分断されている南北方向を結ぶ幹線道路や利根川新橋(第二埼玉大橋)の早期整備に、積極的に取り組んでまいります。

 

10番目は、「コロナ禍で失われた文化とコミュニティを再生」であります。

長引くコロナ禍において、希薄となってしまった交流の機会やコミュニティ、失われた文化活動などを、市民の皆様とともに再生してまいります。

ウィズコロナの中でも、知恵と工夫で、伝統行事やイベント、スポーツ、文化活動などを行っていくことは可能です。その活動が、やりがいや生きがい、心の豊かさにつながるものでもあります。

そのほか、2050年カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けた取組、地球温暖化対策の推進などの環境対策に取り組んでまいりますとともに、男女共同参画については、女性管理職を増やし、ジェンダー平等の市政を推進してまいります。また、外国人や性的少数者などの人権を擁護するための意識啓発を進めてまいります。

 

以上のような多岐にわたる取組を、市民サービスの向上や業務の効率化などを図りながら進めてまいりますためには、ICTやデジタル技術の活用が必要不可欠であります。市民の皆様が、いつでもどこでも行政手続を行うことができるよう、加須版のDX推進計画を策定し、行政のデジタル化に取り組んでまいります。

 

また、財政運営につきましては、本市の財政状況や今後の財政需要を考慮し、行財政改革と財政健全化を推進しながら、これまでの財政運営の基本姿勢である「収支の均衡」「債務残高の圧縮」「将来への備え」の3つを堅持し、中長期的な視点も持ちながら、安定した持続可能な財政運営を行ってまいります。

以上、私の市政運営の基本的な方針について申し上げました。

 

未来は「希望」と「不安」でできていますが、希望を増幅するのも、不安を払拭するのも、私たちの取り組みいかんであります。

時代は常に変化しています。近い将来、激動の時代を迎えるかもしれません。
ダーウィンは「進化論」の中で言いました。

「強いものが生き残るのか 否

では、賢いものが生き残るのか 否

変化に対応できるものだけが生き残るのだ」と。

加須市も時代の変化に対応しながら、希望の未来へと進んでいかなければなりません。

議員各位や市民の皆様のお力添えを得て、そして、国や県とも連携を図りながら、希望の未来を創る市政運営に、全身全霊で取り組んでまいります。

 

結びに、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を重ねてお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。

これから4年間、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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