万葉遺跡

更新日:2017年12月20日

施設概要
住所 加須市向古河
万葉遺跡

 「万葉集」は8世紀末の和歌集ですが、その巻14に「まくらがの古河」のうたが三首収載されています。

 (第三四四九)
 白たへの衣の袖をまくらがよ 海人こぎく見ゆ波立つなゆめ
 (白妙の衣の袖をまくらにするという、そのマクラガから、海人のこいで来るのが見える。波よ立つなよ。)  

(第三五五五)
 まくらがの古河の渡りのから梶の 音高しもな寝なへ子ゆゑに
 (未だ何びとのかかわりもない女性なのに、ウワサばかりが高くなってこまる。)

 (第三五五八)
 会はずして行かば惜しけむまくらがの 古河こぐ船に君も会はぬかも
 (あわないで行くのは残念であろう。まくらがの古河をこぐ船ででも、君に会いたいものである。)  

 これらのうたの中で、古河は許我と書かれており、二首はその上に麻久良我乃としてあります。許我は「滸找」であって、「水辺に船をすすめる」という意味であり、まくらがのは「どの国にも属していない地域」を指しています。(郷土史家の鎗水柏翠氏による)  
 古代には今の東京湾が谷中まで入ってきていて、そこに思川・巴波川・渡良瀬川等の川が流れ込み、武蔵国から下総国や、下野国に渡るのには船によるほかはなかったのです。  
 そういう古代の地理的条件や国々の配置をみることによって、この歌の意味を正しくつかむことができます。

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