「人との接触8割削減」で思うこと

  新型コロナウィルス感染症の感染拡大が止まりません。
  政府は矢継ぎ早に「人との接触を8割宇削減」「従業員の出勤7割削減」など、国民に協力を呼びかけています。感染症の拡大防止のためには人との接触を断つことが一番なわけですが、なかなかそううまくはいきません。
  直接的には、生活必需品を調達しなければならないとか、収入確保のためには働かざるを得ないとか、ライフラインに関わる仕事は休止できないとか、いろいろあるのだと思いますが、根本的には「人間」とはヒトとヒトとが関わることで生きている動物だからなのだろうと思います。
  生物は、高等生物になればなるほど周囲との関わりなしには生きていけないのだといいます。逆に動物の中には周囲の助けなしに立派に生きていける物もたくさんいます。
  例えば、ヒトは生まれてから歩けるようになるまでに約1年はかかります。ところが馬の赤ちゃんは生まれて数時間で立ち上がることができます。ウミガメは生まれるとすぐに自力で海に向かって歩き出し、全く親の助けを受けることなく一人で大海原の中で生きていきます。サカナなども親は卵を産んだらそのまま死んでしまうサケのような物もいます。ヒトの子どもの場合、生まれたまま放っておかれたら数時間もたたずに死んでしまうことは間違いありません。その意味ではヒトの子どもというのは極めて未熟な生物と言えます。
  その代わり、神様はヒトに「社会性」という能力を与えたようです。つまりヒトは己の未熟な部分を補うためにお互いに関わり合い、助け合うことを身につけたと言えます。ヒトはお互いに関わり合うことなしには生きていけないのです。
  ところが、今回のコロナウィルス感染防止のためには、人との関わりを極力絶たなければなりません。倫理学者の和辻哲郎は「人間は“間柄的な存在”」であり、お互いに関わり合うことによりヒトは人間になる、といいます。
  今日の事態は、そのようなヒトがヒトとして本来持つている特性を制限しなければならない異常な事態と言えるのだと思います。
  一日も早く、このような事態が収束することを祈ります。

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更新日:2020年04月13日